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英国データセンター555施設、ロンドンが容量の3分の2を占有

英国のデータセンター施設は555、合計IT容量は約1.6GW。ロンドンが施設数40%、容量の約3分の2を占める。地方政府主導の多拠点化も進む。

5分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

英国データセンター555施設、ロンドンが容量の3分の2を占有
Photo by Albert Stoynov on Unsplash

英国のデータセンター市場に関する最新の分析が明らかになった。電気めっき・表面コーティング分野の専門企業Karas Platingがまとめた報告書によれば、英国国内のサーバーファームは555施設に達し、Statistaの最新データと一致する数字となった。

合計のIT容量は約1.6GW。施設数だけで見れば、米国に次ぐ世界第2位の規模であり、両国には相当な差が存在するが、英国のデータインフラが持つ集中度は極めて高い。

ロンドンの圧倒的優位

報告書の核心は、首都圏が市場の大半を掌握しているという事実だ。ロンドンには219の稼働中施設が存在し、これは国内全体の約40%に相当する。IT容量に換算すると1,048MWであり、英国全体の約3分の2が一都市に集中している。

金融市場を擁するシティ・オブ・ロンドン周辺と、首都から北米海底ケーブル結節点へ向かうM4自動車道沿いの光ファイバー回廊には、長年ビット倉庫の集積が進んできた。この地理的優位性は今もなお健在だ。計画中の拡張プロジェクトも15件と最多であり、今後も增長が続く見込みである。

地方への容量シフト

一方で、報告書は地方都市圏における大容量インフラへの有意なシフトも示している。The Registerが以前から報じていた通り、電力不足や都市計画上の規制を背景に、開発者はロンドン以外の地域に目を向けるようになった。

英国南東部には62施設、128MWの容量が稼働中で、10件の計画プロジェクトが存在する。M25環状道路沿いにEquinixが大規模キャンパスを計画している南ミムズ近郊などが、この領域に含まれるとみられる。

英国北西部には39施設、52MWの容量があり、5件の今後建設が予定されている。ロンドンと南東部という従来のホットスポット以外では最多の計画数だ。マンチェスターやリヴァプールを中心とするこの地域は、AI計算需要の増大に応じた拠点分散の有力候補となっている。

英国東部には45施設、44MW、スコットランドには49施設が稼働している。スコットランドは再生可能エネルギーの豊富さで知られ、今後のデータセンター開発において優位性を持つ可能性がある。

AI政策と電力問題

この分析は、英国政府の「AI Opportunities Action Plan」の実施時期と重なる。政府はデータセンターの新規建設を促進する方針を打ち出しており、Karas Platingの報告書は、その政策がもたらす新規需要の発生源を事前に把握しようとする意図があると見て取れる。

ただし、地方拠点化の背景には電力供給という根本的課題がある。ロンドン近郊では電力グリッドへの接続待ちが長期化しており、政府はデータセンター事業者からグリッド接続申請に Fees を徴収する方針を検討中だ。また、水資源消費に関する規制も未整備のままAI超大国構想が推進されている点は、インフラ面での長期的な持続可能性を問うものだ。

編集部の見解

短期的に見れば、ロンドンの優位性は揺るぎない。15件の拡張プロジェクトが集中しており、金融・テック企業の集積ニーズは依然として強い。ただし、電力制約と規制コストの上昇は、今後3年以内にロンドン中心の開発モデルに明確な限界を突きつける可能性がある。

長期的には、英国のデータセンター地理は再編される。北西部とスコットランドは再生可能エネルギーとの親和性で競争力を獲得し、AI推進計算の拠点として浮上しうる。欧州全体ではフランクフルトが2031年までにロンドンを凌ぐコロケーション市場になるとの予測もあり、英国都市間の競争だけでなく欧州都市間の競争も激化する。

本質的な問題は、地方拠点化が本当にエネルギー効率と環境負荷の観点から合理的なのかという点だ。ロンドンの既存インフラを活用するよりも、地方に新規建設する方が炭素排出削減に資するのか。AI Opportunity Action Planがこの論点を十分に照射しているかは、今後検証が必要だ。

参考

よくある質問

英国のデータセンターは世界で何位の規模か
施設数では米国に次ぐ世界第2位。555施設が稼働中で、合計IT容量は約1.6GW。ただし米国との間には相当な規模差が存在する。
ロンドン以外でどの地域が注目されているか
英国北西部がロンドンと南東部以外で最多の計画プロジェクト5件を抱え、地方拠点化の中心候補となっている。スコットランドも再生可能エネルギーの優位性から注目される。
地方拡大の障害となる課題は何か
電力グリッドへの接続待ちの長期化と、都市計画規制が主要なボトルネックだ。英国政府はグリッド接続 Fees の導入と規制緩和を検討中だが、水資源消費に関する規制は未整備のままとなっている。
出典: The Register

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