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Linux 7.3でStrix HaloのNUMA性能が改善

Ubuntu 26.10でLinux 7.2と7.3を比較。Strix HaloでNUMA性能が向上し描画や遅延も小幅改善した。

9分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

Linux 7.3でStrix HaloのNUMA性能が改善
Photo by Olivier Collet on Unsplash

Ubuntu 26.10の開発版において、搭載する核がLinux 7.2からLinux 7.3へ切り替わった。 Phoronix の Michael Larabel の報道では、この切り替えを受けた性能比較が実施された。 対象はAMD Ryzen AI Max+ 395を搭載したFramework Desktopである。 同一機体を用い、Linux 7.2とLinux 7.3の差異が検証された。

先週の測定では、Ubuntu 26.10とLinux 7.2の組み合わせが取り上げられた。 Ubuntu 26.04 LTSとLinux 7.0の組み合わせに対する向上が確認されていた。 今回はその後の核移行に対応し、7.2と7.3の直接比較が行われた。 10月の正式版が7.3を搭載する見通しであるため、実利用に近い検証と位置付けられる。

The graphics benchmarks were largely the same with Linux 7.3 over Linux 7.2 for the Radeon 8060S Graphics

上記は原記事における描画性能の総括である。 全体として大きな変化はない一方、一部条件で小幅な改善が記録された。 開発版の核更新による回帰は観測されなかった。 Linux 7.2時点で完成度が高かったことがうかがえる。

Ubuntu 26.10の核移行と検証条件

CanonicalはUbuntu 26.10の開発過程で既定の核を更新した。 日次版の状態でLinux 7.2が使われた直後、Linux 7.3へ移行した。 今回の比較はこの移行を受けた追試である。 利用者領域や測定構成は同一に保たれた。

検証機はRyzen AI Max+ 395搭載のFramework Desktopである。 Strix Haloと呼ばれるこの半導体は、中央演算と統合画像処理を一体化した設計だ。 メモリを共有する統合型構造が特徴である。 携帯型の高性能計算や推論用途で注目されている。

測定は数十項目の実作業負荷と核の微小規模測定を含む。 画像処理、通信遅延、NUMA、応答特性が対象となった。 実作業負荷は日常的な処理に近い条件で実行された。 微小規模測定は核内部の挙動差を抽出する目的だ。

Linux系卓上環境では核更新の影響が関心を集めている。 Linux Mint、EPUB閲覧Xepubと暦Clockenstein公開でも卓上環境の刷新が伝えられた。 核と卓上環境は別層だが、利用体験は両者の組み合わせで決まる。 今回の測定は核層の変化を切り分けた点に意義がある。

Radeon 8060Sの描画性能の変化

統合画像処理部Radeon 8060Sの測定結果はほぼ横ばいだった。 Linux 7.3への更新で大幅な向上や低下は生じなかった。 成熟した駆動機構が既に安定していることを示す。 既存利用者にとっては回帰がないことが重要だ。

例外として、DDNetと呼ばれる横視点動作遊戯で小幅な改善が出た。 描画負荷が軽量な条件で差が出た形だ。 駆動機構や同期処理の微調整が寄与した可能性がある。 特定条件での最適化が進んだと見ることができる。

他の画像処理測定では有意な差は確認されなかった。 高負荷の立体描画では核間差が埋もれた形だ。 画像処理性能は核よりも表層駆動や表層蔵の成熟度に左右される。 7.2時点で最適化が進んでいたと解釈できる。

Strix Haloは統合型でありながら独立画像処理に近い規模を持つ。 そのため核の記憶管理や電力制御の変化が影響し得る。 今回はその影響が限定的だった。 安定性を維持した更新と評価できる。

NUMA性能の大幅改善と遅延低減

最も明確な変化はStress-NGによるNUMA測定だった。 Linux 7.3で測定値が大きく改善した。 不均一記憶到達構造の扱いが効率化されたとみられる。 統合型大容量記憶を持つStrix Haloとの相性が良い結果だ。

この傾向は待機側処理装置での測定とも整合する。 PhoronixはEPYCを対象とした別の測定で核改善による向上を報告した。 2026年の核改善で幾何平均が約8%向上したとする内容だ。 顧客向けと待機側で共通の改善が波及したと見ることができる。

通信遅延の測定でも低下が確認された。 わずかな差だが、複数回の測定で再現した。 核の通信路処理や計時機構の調整が寄与した可能性がある。 応答性が求められる用途では無視できない変化だ。

その他の微小規模測定でも一部改善が出た。 体系全体の処理能力を直接引き上げるものではない。 それでも遅延や割込処理の効率化は蓄積として意味を持つ。 開発中の核としては順調な推移である。

実作業負荷における差異は限定

数十項目の実作業負荷では全体差が小さかった。 文書処理や符号化、圧縮、脚本言語処理で明確な差は出なかった。 日常利用における体感差は乏しいとみられる。 Linux 7.2の完成度が高かった裏返しでもある。

前回測定ではUbuntu 26.04 LTSに対する向上が確認されていた。 Linux 7.0から7.2への変化は比較的大きかった。 それに対して7.2から7.3への変化は微調整にとどまった。 段階的な成熟過程として自然な結果だ。

Framework DesktopはLinux対応が成熟した機体である。 表層駆動や電力機構の問題が既に解消されている。 そのため核更新の効果が測定値に表れにくい。 未対応機体では異なる結果が出る可能性がある。

性能以外の観点ではLinux 7.3の意義が大きい。 新しい機能や装置対応、安全性強化が含まれている。 今回の測定対象外の装置では恩恵が大きい場合がある。 性能横ばいをもって更新価値が低いとは言えない。

Linux 7.3の機能強化と今後の展望

Linux 7.3は開発版として多くの変更を取り込んだ。 装置対応の拡大と内部構造の整理が進められた。 Strix Haloのような新型半導体では対応の充実が重要だ。 測定値に表れない安定性の向上が含まれる。

Ubuntu 26.10は10月の公開に向けて核を固定した。 7.3を基盤に残りの不具合修正が進められる。 今回の測定は公開直前の状態を反映している。 正式版でも同様の傾向が維持されるとみられる。

今後はLinux 7.4に向けた開発が本格化する。 読み取り開始処理の高速化などが既に伝えられている。 Strix Haloにおける効果も改めて検証が必要だ。 核の進化と統合型半導体の組み合わせが注目される。

編集部の見解

短期的影響について見る。Ubuntu 26.10の公開は10月に迫っている。核が7.3で固定されたことで、装置製造者や頒布元の検証は最終段階に入ると見る。Strix Halo搭載機の利用者は、回帰なくNUMAや遅延の改善を得られると評価する。3か月から6か月では、卓上Linuxの新規導入でStrix Haloの選択肢が固まるとみられる。

長期的視点で見る。NUMAや記憶管理の改善は、待機側から顧客向けへの波及を示すと評価する。統合型大容量記憶の設計は推論や制作処理と相性が良い。1年から3年では、核の効率化が統合型半導体の普及を後押しすると見る。電力や応答性の改善が蓄積すれば、携帯型高性能計算の基盤が変わる可能性がある。

編集部からの問いを記す。今回の測定は単一機体と限定された負荷に基づく。実作業負荷で差が出なかった理由は、核の成熟か測定項目の偏りか判然としない。DDNetのような軽量条件で差が出た機構も未検証だ。装置対応の成熟度と測定条件の網羅性が問われているのではないだろうか。

参考

よくある質問

Linux 7.3でStrix Haloの性能はどれほど向上したのか
全体としては小幅な改善にとどまった。Radeon 8060Sの描画はほぼ横ばいで、DDNetで小幅な向上が出た。Stress-NGのNUMA測定は大きく改善し、通信遅延もわずかに低下した。数十項目の実作業負荷では明確な差は確認されなかった。
Ubuntu 26.10ではどの核が使われるのか
開発過程でLinux 7.2からLinux 7.3へ切り替わった。10月の正式版はLinux 7.3を搭載する見通しだ。前世代のUbuntu 26.04 LTSはLinux 7.0であり、26.10では核の世代差による向上が見込まれる。今回の比較は公開直前の状態を反映している。
Strix Halo搭載機の利用者は更新すべきか
性能目的だけでは劇的な変化は見込めない。ただし回帰は確認されず、NUMAや遅延の改善が得られた。Linux 7.3には装置対応や機能強化も含まれる。Ubuntu 26.10の正式版への移行は安定性の観点で意義がある。
出典: Phoronix

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