AI36製品の規約調査 音声やPDF扱いに差
AI製品36件の規約を形式別に調査。録音や画像の扱いは製品と版で異なり、一律判断は困難だ。
会議の録音を生成AIに入力してよいのか。 この問いに製品名だけで答えることは難しい。 Qiita の songchong の報道では、AI製品36件の利用規約と情報保護方針を形式別に読み解いた調査が示されている。 文字、音声、画像、ファイル、プログラム、評価操作を分けて数えた点に特徴がある。
調査対象はAI製品36件である。 取得して保存した規約や情報保護方針、支援文書を1件ずつ確認したという。 形式による区別を設ける製品は14件だった。 6形式と14件の組み合わせである84枠のうち、記述がある枠は21にとどまる。 残る22件は形式の区別自体を行わず、すべての入力を一律に扱う製品である。 空欄は利用しない意味ではなく、形式への言及がない状態を指す。
個人版は音声と画面共有を学習に使うとし、Workspace 版はアップロードしたファイルを使わないとしています。
この一文が調査の核心を示している。 同一製品でも版によって結論が逆転するからだ。 形式別の記述を最も多く持つのはGeminiで、6形式のうち4形式に記述がある。
形式別記述が多いGeminiの開示事例
Geminiは6形式のうち4形式に言及する。 個人版では音声と画面共有を訓練を含む改善に使うと明記する。 Workspace版では投稿したファイルは人による審査の対象にもならないと記す。 許可なく生成AI基盤の訓練に使われることもないと定める。 個人向けと法人向けで保護水準が明確に分かれる構造である。 形式別の記述が多いことは、利用者にとって確認先が分散することも意味する。 音声の可否と文書の可否を別文書で確かめる作業が必要になる。
形式を区別しない22件の読み方も示されている。 この群では文字入力への方針が他形式にも及ぶと解釈するのが自然だという。 文字入力を学習に使う製品では、録音の書き起こし文も同様に扱われる可能性がある。 逆に文字入力を使わない製品では、他形式も使わない方向で読める。 ただし規約文に明記がない以上、最終判断は各製品の窓口確認が要る。 一律扱いの製品ほど、運用側の分類と保存設計が重要になる。
個人版と法人版で扱いが逆転する事例
同じ製品名でも版で結論が逆になる例が2件あった。 1件目はGitHub Copilotである。 個人向けのFreeやPro、Pro+では入力や出力、プログラム断片を訓練や改善に使う場合がある。 利用者が拒否設定を選べる仕組みを備える。 BusinessとEnterpriseの情報は基盤の訓練に使用しないと定める。 個人利用と組織利用で前提が変わる。
2件目はGeminiである。 個人版は音声と画面共有を改善に使う。 Workspace版は投稿文書を訓練に使わない。 どちらも製品名だけでは説明できない。 版の名称、契約形態、適用される補足条項を添えて述べる必要がある。 調達時の確認項目に版指定を含めることが欠かせない。
音声や画像ファイルの扱いは製品で相違
録音や写真、PDF文書、プログラムは文字と同一に扱われない。 製品ごとに方針が分かれる。 記述があった14件から形式別の実例が整理されている。
音声や録音では3通りの姿勢がある。 Geminiの個人版は音声を訓練を含む改善に使うと名指しする。 Gensparkは元の音声ファイルを保存も提供もせず、書き起こしと議事録だけを渡すと記す。 Manusは音声や音声断片を入力として名指しし、そこから情報を導くと書く。 学習利用の可否には触れていない。 録音の扱いは製品を特定しない限り答えが出ない。
画像や帳票では保護手法の開示に差がある。 DX Suiteは学習前に氏名や電話番号を覆い隠し、復元不能な形式に変えると記す。 同じ頁に完全な精度を保証しないとも付記する。 スマートOCRは帳票画像から切り出した文字列画像を学習させると機能として記す。 精度向上の仕組み自体が学習利用を含む形だ。 帳票の機微度が高い現場では事前評価が要る。
投稿文書では使わないと明記する例が目立つ。 NotebookLMは投稿文書を人の審査にも改善にも使わないと記す。 利用者からの意見提出時は例外とする。 GeminiのWorkspace版も同様の例外構造を持つ。 Feloは法人版について明示の同意がある場合を除き学習に使わないと記す。 同意の取得過程を記録に残す運用が求められる。
プログラムでは入力範囲の特定が細かい。 Cursorはプログラム基盤や指示文、編集操作、断片を名指しする。 GitHub Copilotは入力や出力、断片、関連文脈を名指しする。 開発現場では保管庫全体が対象になるかが論点になる。 除外設定の有無と初期値の確認が欠かせない。
付随記録は別枠で定められる。 LINE WORKS OCRは接続記録を自動で作り保存すると別建てで記す。 IPアドレスや閲覧器種類、言語、時刻印が対象である。 利用者が意識せず生まれる情報だ。 入力情報と混同せずに読む必要がある。
端末側での処理と保護を前面に出す動きは、Apple、スマートグラスでプライバシーを差別化へでも取り上げられている。 収集しない設計と規約で制限する設計は別の手法である。 両者を組み合わせて評価する視点が要る。
フィードバック機能が学習利用の例外に
評価操作への言及は7件で形式中最多だった。 同じ親指印操作でも製品で意味が変わる。 学習に使わないと明記する製品がある。 押した会話を保存する製品もある。 履歴を無効にしても一定時間残す製品もある。
Microsoft 365 Copilotは意見送信を基盤訓練に使わないと明記する。 Claudeは高評価や低評価と共に関連会話を意見の一部として保存する。 拒否設定時でも意見は学習に使うと定める。 Geminiは会話記録を無効にしても意見処理のため最長72時間保存する。 NotebookLMは投稿文書を使わないとしつつ、意見提出時は例外とする。 Claude Codeは組織設定で意見送信の導線自体を出さない方法を記す。
ClaudeとNotebookLMの例外設定は似ている。 運営会社も製品も別でありながら、同じ位置に同じ例外がある。 使わない原則と意見提出時の別扱いという構造だ。 例外はこの位置に置かれやすいと解釈できる。 利用者への説明では原則と例外を対で示す必要がある。 親指印は軽い操作に見えて、情報提供の行為に当たる。
入力と生成物と記録を区別する必要性
調査は情報を3種類に分けて読むよう促す。 利用者が入れた情報、受け取った生成物、自動で作られた情報である。 混同は判断の誤りにつながる。
自動で作られた情報の代表は接続記録だ。 利用者の意思と無関係に生まれる。 入力情報と同じ列に置くと誤読する。 生成物も同様の注意が要る。 資料から音声解説を作る機能はAIが作り聞かせるものだ。 入れた録音の扱いを説明したものではない。 比較表では学習利用の有無と並べて読む形が採られている。 自組織の利用製品を探し、版と形式を照合する使い方が想定されている。
実務上の要点は明確だ。 会議録音の可否は製品と版と形式で決まる。 一律の可否表は作れない。 確認先は利用規約の総則ではなく、音声や文書への個別記述である。 意見送信の扱いも同時に確かめる必要がある。 保存期間、人の審査の有無、訓練利用の有無、拒否手段の4点を押さえると見通しが立つと見る。
編集部の見解
今後3〜6ヶ月では、法人利用における版指定の確認が調達要件に組み込まれると見る。製品名のみでの安全性判断は通用しなくなり、情報システム部門による規約審査の負荷は増すと評価する。意見送信機能の無効化設定が初期導入手順に加わる可能性がある。
1〜3年では、形式別の記述が標準的な開示項目になると見る。音声や画像、作業記録を一律に扱う方針は維持が難しくなり、保存期間や学習利用の分離が求められると評価する。利用者側も入力前の分類作業を前提とした運用に移行する可能性がある。
残る論点は、例外規定の設定が利用者の想定と一致するかだ。記録を無効にしても残る72時間保存は許容範囲と言えそうだ。意見送信が学習利用の引き金になる設計は、利便性と保護の均衡が問われている。
参考
- 「写真📷録音🎙PDF📄コード💻いいね👍|私の情報はどこへ漏れていくのか? AI製品36件の規約とプライバシーポリシーを形式別に調べてみた」, by songchong — Qiita, 2026-09-13T19:32:07.000Z (ARR)
- 元記事URL: https://qiita.com/songchong/items/e630bf05f4adf0c16ce5?utm_campaign=popular_items&utm_medium=feed&utm_source=popular_items
よくある質問
- 会議の録音をAIに入れてよいかはどこで確認するのか
- 製品名ではなく版と形式で確認する必要がある。音声への個別記述、保存期間、人の審査の有無、訓練利用の有無、拒否手段を規約で確かめることが重要だ。意見送信時は例外扱いになる製品もあるため、併せて調べることが欠かせない。
- 個人版と法人版で扱いが違う製品はあるのか
- GitHub CopilotとGeminiで逆転事例が確認されている。個人向けでは訓練や改善に使う場合があり、法人向けでは使わないと定める。契約形態や適用条項を特定しない説明は不正確になるため、版指定での確認が必須だ。
- いいね等の評価操作はなぜ情報保護と関係するのか
- 7件が名指しで定め、形式中で最多だからだ。押した会話の保存や一定時間の保持、学習利用の例外化が製品で異なる。軽い操作に見えて情報提供に当たるため、組織では導線の表示可否も含めて管理する必要がある。
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