回答埋没防ぐ技能 i-have-adhd公開
結論先行と番号付き手順で符号化支援の冗長応答を抑える技能が公開。10規則で行動を先に示す。
2026年9月9日、符号化支援の応答様式を変える追加機能がGitHub上で公開された。 名称はi-have-adhdで、注意欠如・多動症の診断の有無を問わず利用できる点をうたう。 GitHub Trending の ayghri の報道では、応答の冒頭で結論と次の行動を示す設計が強調されている。 冗長な前置きや社交辞令を排し、実行可能な指示に集中する点が特徴だ。
対象はCLI上で動作する符号化支援である。 Claude Codeの技能および差し込み機能として導入できる。 資料は英語のほか複数の言語表示に対応し、導入手順はAGENTS.mdにまとめられている。 許諾条件はMITであり、分岐や改変が認められている。
結論先行で応答を作り替える仕組み
この技能の目的は、回答が文章に埋もれる状態を防ぐことにある。 GitHub Trending の ayghri の報道では、次の方針が示されている。
Action first. Steps numbered. No “Hope this helps!”
行動を先に置き、手順に番号を付け、締めの社交辞令を付けない。 この三点が中核にある。 応答の構造自体を規定することで、読み手の認知負荷を下げる狙いだ。
公開資料は変更前後の応答例を示している。 変更前は認証の流れや依存関係全般に触れる長い説明になる。 対象ファイルへの言及はあるが、具体的な操作順序は不明確だ。 変更後は導入命令と編集対象、検証命令、次の分岐条件だけに絞られる。 src/auth.tsの42行目を開き、verifyTokenを置き換え、auth.spec.tsを実行する。 失敗時は最初の失敗行を貼り付ける。 この形では読み手が次に何をするべきか迷わない。
この対比は単なる文体の好みではない。 符号化作業では次の一手が明確であるほど、中断からの復帰が容易になる。 作業記憶への負担を減らすことが、実務上の速度に直結する。 応答を短くすること自体より、行動の特定可能性を高める点に価値がある。
10項目の規則が示す応答の様式
応答様式はSKILL.mdに収められた10項目の規則で定義されている。 内容は次の通りだ。 次の行動から書き始める。 複数段階の作業には番号を付ける。 最後に具体的な次の一手を一つ示す。 脱線を抑える。 毎回状態を再記述する。 時間の見積もりは分単位で示す。 成果を可視化する。 誤りは事実として淡々と扱う。 一覧は最大5件に抑える。 前置きと要約と結びの定型文を付けない。
状態の再記述は、会話の継続性を保つ工夫だ。 毎回現在の位置と残作業を短く示す。 これにより、利用者は過去の発言をさかのぼらずに済む。 見積もりを「少し」ではなく分単位で示す点も実務的だ。 作業の着手判断が容易になり、先延ばしを防ぐ効果が見込まれる。
一覧の上限も重要な制限だ。 選択肢が増えるほど判断が遅れる。 最大5件に抑えることで、優先度の判断を強制する。 誤りを淡々と扱う規則は、謝罪や言い訳の挿入を防ぐ。 原因と対処に直結する記述だけが残る。 Anthropic、Fable 5復活を宣言で取り上げられた対話設計の議論とも通じる。 応答の丁寧さより、作業の前進を優先する立場だ。
プラグイン導入と独自調整の進め方
導入はCLIの入力欄への貼り付けから始まる。 資料では、公開保管場所から技能を導入し、AGENTS.mdの手順に従う方式が示されている。 Claude Codeでは技能の呼び出し名として/i-have-adhdを用いる。 再起動後に呼び出すことで、応答様式が切り替わる。
独自調整の手順も公開されている。 まず保管場所を分岐し、skills/i-have-adhd/SKILL.mdを編集する。 次に既存の複製を解除し、分岐先の市場から再導入する。 命令例として、複製の削除と市場の削除、市場の追加、技能の導入が示されている。 名称の重複に注意し、上流の複製を先に外す必要がある。 この手順により、組織や個人の好みに合わせた規則の維持が可能だ。
この分岐前提の設計は、応答様式を個人設定ではなく符号として扱う発想だ。 設定画面の選択肢ではなく、文書の改訂として管理する。 版管理と共有が容易になり、実践知の蓄積に向く。 AnkerがIFA 2026でMindBase発表 AI中核にで示されたような製品側の最適化とは異なる。 利用者側が応答の振る舞いを所有する点が特徴だ。
開発現場における位置付けと実務的意義
符号化支援の冗長さは以前から課題だった。 丁寧な説明や背景の補足は、初学者には有益な場合がある。 一方で実務では、次の一手と検証方法だけが求められる場面が多い。 長い応答はスクロールと読解の時間を増やす。 割り込み後にどこまで進んだかを見失う原因にもなる。
i-have-adhdはこの問題に様式の制約で対処する。 モデルの推論能力を変えるのではなく、出力の構造を変える。 推論の質は維持しつつ、伝達の損失を減らす。 追加の演算資源を必要としない点も実務的だ。
典拠として、J. Russell RamsayとAnthony L. RostainによるThe Adult ADHD Tool Kitへの言及がある。 ただし人間向けの整理術をそのまま移したものではない。 言語モデルがどう応答すべきかに翻案した点が明記されている。 人間の行動変容ではなく、機械の出力設計に焦点がある。 この区別は重要だ。 診断名を掲げつつ、対象を特定の利用者層に限定していない。 認知特性にかかわらず、作業の明確さを求める利用者に開かれている。
広告遮断や操作集中の工夫と同様、環境側の調整が生産性を左右する。 Android広告遮断 BraveとDNS併用が有効で示された実践と同様、道具の組み合わせが効果を生む。 応答様式の最適化も、開発環境の整備の一環と位置付けられる。 小規模な技能の導入で、日々の対話の摩擦を減らせる可能性がある。
編集部の見解
短期的影響について見る。今後3〜6ヶ月では、符号化支援の応答を様式で制御する技能の複製が増えると見る。SKILL.mdのような短い規則文書が共有単位になり、組織ごとの応答基準が版管理されると評価する。丁寧な長文より検証可能な次の一手を優先する文化が、実務現場で広がると見る。
長期的視点では、出力様式の所有権が利用者側に移ると評価する。製品既定の丁寧さに合わせる段階から、職種や認知特性に合わせた様式を選択する段階へ進むと言えそうだ。状態の再記述や分単位の見積もりは、作業管理との結合を促すと見る。支援との対話記録がそのまま進捗記録になる可能性がある。
編集部からの問いとして、簡潔さと説明責任の両立を挙げる。結論先行は速度を高めるが、根拠の省略が誤りの見逃しを招く恐れがあると見る。脱線の抑制は集中に資するが、代替案の発見機会を減らす可能性もあると評価する。どの情報を削り、どの情報を残すのか。その線引きを利用者が検証できる仕組みが問われていると考える。
参考
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「ayghri /
i-have-adhd」, by **ayghri** — GitHub Trending, 2026-09-09 (ARR)
よくある質問
- i-have-adhdは何をする機能なのか
- 符号化支援の応答を結論先行に変える技能だ。次の行動から書き、複数手順に番号を付け、最後に具体的な次の一手を示す。前置きや結びの定型文を排し、状態再記述や分単位の見積もりで作業継続を助ける。
- 導入や独自調整はどう進めるのか
- 公開保管場所から技能を導入し、AGENTS.mdの手順に従う。Claude Codeでは再起動後に呼び出して使う。独自調整は保管場所を分岐し、SKILL.mdを編集後に再導入する。上流の複製を先に外す必要がある。
- 利用に対象者の限定はあるのか
- 注意欠如・多動症の診断は不要と明記されている。人間向け整理術ではなく、言語モデルの応答様式への翻案だ。認知特性にかかわらず、明確な指示を求める開発者が利用できる。許諾条件はMITだ。
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