Sennheiser Momentum 5 交換バッテリーと57時間駆動を実現
Sennheiserが4年ぶりに投入したワイヤレスヘッドフォンMomentum 5は、ANCオンで57時間の駆動を実現。ユーザーが自らバッテリーを交換できる設計が特徴だ。
Sennheiserがワイヤレスオーバーヘッドヘッドフォン「Momentum 5 Wireless」を発表した。前モデル「Momentum 4 Wireless」の登場から約4年ぶりの製品刷新となる。価格は400米ドル(約6万円)。
製品刷新の背景
Sennheiserの消費者向け事業は、補聴器メーカーSonovaに売却された。現在、Sonovaは同事業の再売却を検討しているとされる。このように的な経営環境の変化の中で発売されたMomentum 5は、WiredのChris Haslamによるレビューで8点(10点満点)の評価を受けた。
Sony、Apple、Bowers & Wilkinsが「WH-1000XM6」「AirPods Max 2」「Px7 S3」など相次いで新型を投入する中、Sennheiserは4年間沈黙を守っていた。Momentum 5はこの競争激化の中で登場した製品だ。
デザインと構造
Momentum 5の外観は、ヘッドバンドトップ部にデニム素材をあしらったのが特徴だ。ヘッドフォンの市場には、AirPods Max 2やPx7 S3のような高級志向のモデルと、Bose QuietComfort HeadphonesやWH-1000XM5のような軽量志向のモデルがある。Momentum 5はこの両者の中間的な位置づけにある。
重量は10.3オンス(約292グラム)で、主にプラスチック素材で構成されている。Ear cupはシンプルなデザインで、 Nothing Headphone (1)のような他社製品のような目を引くスタイルではない。Blue denim(ブルーデニム)、black(ブラック)、white(ホワイト)の3色展開となる。
Wiredのレビューでは、ビルドクオリティについて「プレミアム感よりもプラスチック感が強い」と評されている。外見上的な印象としては、カジュアルで親しみやすいデザインだ。
佩戴の快適性
ヘッドホンの快適さは、長時間使用を前提とするワイヤレスモデルにおいて重要な評価項目となる。Momentum 5のイヤーパッドには適度な柔らかさがあり、大きな耳でも窮屈さを感じないという。
ヘッドバンドからの圧力も適切で、長時間の装着でも不快感は生じにくい。眼鏡との相性も悪くなく、数時間の連続使用でも問題を感じなかったとレビューされている。
ただし、気温が95華氏(約35度)を超える環境では、イヤーパッド内部の通気性に課題が生じる。これは同クラスの製品に共通する問題でもある。
バッテリー寿命と交換可能性
Momentum 5の最大の特徴は、ANC(アクティブノイズキャンセリング)をオンにした状態で57時間のバッテリー寿命を実現したことだ。これはSony WH-1000XM6やBowers & Wilkins Px7 S3のほぼ2倍に相当する。前モデルのMomentum 4より3時間短く、同価格帯のMarshall Monitor III ANCより13時間短い。
Wiredのレビューでは、57時間という公式スペックは実際の使用環境でもほぼ正しいと確認されている。1か月間の日常使用で、バッテリー残量は約50パーセントを維持していたと報告されている。
より注目すべきは、バッテリーが容易に交換可能である点だ。左イヤーパッドを外し、フィリップス-headドライバーで4本のネジを緩め、カバーを外すことでバッテリーを抜き差しできる。iFixitが長年にわたり電子機器のバッテリー交換方法を公開してきたが、ヘッドフォンメーカーが公式にバッテリー交換を推奨するのは今回が初めてだ。
音質とコーデック対応
コーデック対応は網羅的で、高解像度音源の再生に対応している。USB-Cと3.5mmケーブルの有線接続にも対応しており、ワイヤレスでの接続が困難な環境でも利用可能だ。
音質調音はベース寄りのセッティングとなっている。低音域が強調されたサウンドキャラクターで、 Genreによっては好ましくない場合もあると指摘されている。音質の好みには個人差があるため、試聴機での確認が望まれる。
ANC性能
アクティブノイズキャンセリングの性能は、同価格帯の競合製品と比較すると標準的なレベルだ。Most advanced ANCという評価は得られていないが、日常的な使用環境での騒音低減としては十分な性能を持つとされる。
竞争対手のSony WH-1000XM6やApple AirPods Max 2と比較すると、ANC性能においては劣る可能性がある。ただし、バッテリー寿命の長さが、この差を相殺する要素となっている。
競合との比較
ワイヤレスヘッドフォン市場は2026年において、主に4つのブランドが競争を展開している。Sony、Apple、Bowers & Wilkins、そしてSennheiserだ。各社は音質、バッテリー寿命、ANC性能、デザインにおいて独自の差別化を図っている。
Momentum 5は、バッテリー寿命と交換可能性において明確な優位性を持つ。音質とANCにおいては、他社の最上位モデルに劣る可能性がある。価格は400米ドルで、このセグメントでは標準的な価格帯に位置する。
Marshall Monitor III ANCは70時間のバッテリー寿命を実現しており、Momentum 5よりもさらに長時間の駆動が可能だ。ただし、交換可能なバッテリーという機能は、Momentum 5が唯一無二のものとなる。
評価と今後
Momentum 5は「大きなアップグレード」とは言い切れない部分がある。Momentum 4からの進化は進化ではあるが、革命的な変化ではない。交換可能なバッテリーという機能は、環境負荷の観点からも意義が大きい。
ヘッドフォン市場において、バッテリーの寿命が尽きた製品は早期に廃棄される傾向にある。Momentum 5の交換可能バッテリー設計は、製品の寿命延長に貢献する可能性がある。Electronic wasteの削減という観点で、他社にも波及する動きがあるだろう。
編集部の見解
短期的影響 Momentum 5の登場は、ワイヤレスヘッドフォン市場に「バッテリー交換」という新たな競争軸を提示した。今後3〜6ヶ月で、他社メーカーも同様の設計を検討する可能性がある。消費者にとって、ヘッドフォンの寿命が延伸されることで、長期的なコスト削減効果が見込まれる。環境配慮型製品への需要が高まる中、この設計思想は市場受入れの Operandi となるだろう。 長期的視点 1〜3年スパンで見ると、バッテリー交換可能なヘッドフォンは、製品ライフサイクル管理の常識を変える可能性がある。Repair movementの高まりと連動し、電子機器の長期利用を促進する動きが加速する。Sennheiserのこの判断は、環境規制が厳格化する欧州市場において、先行者優位を確立する戦略的意味を持つ。同時に、バッテリー供給の長期確保が新たな課題として浮上する。 編集部からの問い Momentum 5のバッテリー交換可能設計は、製品の耐久性をどこまで担保できるのか。長期的なバッテリー供給が困難になった場合、製品全体の価値はどのように評価されるべきか。
参考
- 「Sennheiser Momentum 5 Wireless Headphones Review (2026)」, by Chris Haslam — Wired, 2026-09-01T11:00:00.000Z (ARR)
- 元記事URL: https://www.wired.com/review/sennheiser-momentum-5/
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