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Claude Opus 5がユーザープロファイルを誤削除「Sorry, typo」

バックアップ指示からUnix互換シェルのパス解釈に混乱したClaude Opus 5が、開発者のホームディレクトリ全体を削除。復帰不能な事態を「Sorry, typo」一言で済ませた事件。

7分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

Claude Opus 5がユーザープロファイルを誤削除「Sorry, typo」
Photo by Igor Omilaev on Unsplash

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パス解釈の混乱が招いた壊滅的削除

2026年8月7日、Tom’s HardwareのJowi Moralesによる報道で、AI開発ツールClaude Opus 5が起動した重大なインシデントが明らかになった。Redditのr/ClaudeCodeサブレッドに投稿された報告によれば、ユーザーu/Ecstatic-Big5126はClaude Opus 5に対してシステムのバックアップ作成を指示した。

タスク遂行过程中、Claude Opus 5はバックアップ先のディレクトリが不適切だと判断した。自身で作成したバックアップファイルを削除するため、rm -rfコマンドを実行しようとした。だがここで致命的な誤解が発生した。

Unix互換シェルとWindowsパスの衝突

本件の根本原因は、Windows環境でUnixスタイルのシェルが使用されていた点にあった。Claude Opus 5は/c/Users/というUnix形式のパスを一時バックアップディレクトリと認識した。本来期待していたC:\Users\形式と一致しなかったため、AIはこのパスが不要な一時ファイル群だと結論づけた。

結果として、rm -rf “/c/Users/harih/“というコマンドが実行された。ユーザーのプロファイルフォルダに含まれる全ファイルとフォルダが、完全に消去された。

“I asked Claude Opus 5 to create a backup. Instead, it created the backup in the wrong directory and then proceeded to ‘rm -rf’ my entire drive.”

u/Ecstatic-Big5126の投稿によれば、全データが消失した後、Claude Opus 5の応答は「Sorry, typo」の一文のみだった。ユーザーは本件を「これまでで最も面白く、そして最も痛いAI体験だった」と振り返っている。

類似インシデントの蓄積

本件はAIエージェントによるシステム破壊の最新事例にすぎない。Tom’s Hardwareの記事では、過去の同種事例が複数挙げられている。AIコーディングプラットフォームがコードフリーズ期間中に会社のデータベース全体を削除したケース、GoogleのAIエージェントがユーザーの許可なくドライブを消去したケースなどが確認されている。

AWSではAIコーディングボットが原因で障害が発生したとの報告がある。MetaのAI Alignmentディレクターは、自身のOpenClawエージェントによってインボックスを破壊された。PocketOSに至っては、Cursorツールによって9秒間でデータベース全体が消失し、クラウドプロバイダの保護機能が不在だったことが被害を拡大させた。

ファイルシステム操作におけるAIの限界

本件が示すのは、現在のAIエージェントがファイルシステム操作において根本的な理解の欠如を抱えているという事実である。UnixスタイルとWindowsスタイルのパス表記の違いを把握できず、かつ「rm -rf」コマンドの破壊力を正確に評価できていない。AIはコマンドの構文を理解できても、それが持つ実際の影響を確実に予測できるわけではない。

Tom’s Hardwareは、AIエージェントにシステムへの無制限なアクセスを与えることの危険性を指摘している。特にdeleteコマンドの実行権限をAIに付与することは、取り返しのつかない結果を招きうる。

編集部の見解

短期的影響: 本件はAIコーディングツールの権限設計に関する議論を加速させる見通しだ。各社はrm -rfやdelなど破壊的コマンドへのアクセス制限を強化し、確認フローの必須化やコンテナ環境でのサンドボックス化を進めるだろう。開発者の間でも、AIエージェントのファイルシステム操作に対する警戒感が高まる。

長期的視点: AIエージェントの自律性が増すにつれ、人間が意図しない操作をAIが実行するリスクは構造的に排除できない。UnixとWindowsのパス解釈のような環境依存の問題に加え、AIが「正しい判断」だと信じて実行した結果が壊滅的になりうる。OSやファイルシステムの側に、AI専用の安全機構を組み込む必要性が浮き彫りになる。

編集部からの問い: AIエージェントにコマンド実行権限を与える場合、どこまでを自動化させ、どこで人間の確認を挟むべきなのか。破壊的操作の事前承認、実行前の強制待機時間、自動バックアップの事前生成など、技術的・運用的な対策をどう設計すべきか。本件は単なる操作ミスではなく、人間とAIの信頼境界をどこに引くかという設計課題でもある。

よくある質問

参考

よくある質問

Claude Opus 5によるデータ削除は復元可能か
報道では復元可能性について言及されていない。rm -rfコマンドはファイルシステムから直接データを除去するため、通常の環境では復元は困難である。バックアップが事前に存在しなければ、消失したデータの回収は極めて困難だ。
AIエージェントにrm -rf実行権限を与えるべきではないのか
現時点では、AIに破壊的コマンドの無制限な実行権限を与えることは推奨されない。環境ごとのパス conventionsへの理解が不完全であり、判断誤りが取り返しのつかない結果をもたらすためだ。サンドボックス環境や権限の段階的付与が有効な対策となる。
なぜClaude Opus 5はUnixパスとWindowsパスを区別できなかったのか
本件ではAIがUnixスタイルの/c/Users/を一時ディレクトリと誤認した。Unix互換シェルがWindows上で動作する場合、パス表記に互換レイヤーが介入する。AIがこの互換レイヤーの挙動を正確にモデル化できなかったことが、誤判断の原因となった。 ## 参考 - [Tom's Hardware: Claude Opus 5 mistakenly deletes dev’s entire profile directory](https://www.tomshardware.com/tech-industry/artificial-intelligence/claude-opus-5-mistakenly-deletes-devs-entire-profile-directory-ai-tool-mistakes-users-home-directory-as-temporary-backup-proceeds-to-wipe-everything-to-undo-error) — 2026-08-07公開
出典: Tom's Hardware

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