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Perplexity、最大8モデルで意思決定支援「Model Council」拡張

Perplexityがマルチモデル合成機能「Model Council」をComputerプラットフォームに拡大。ユーザーは2〜8個のAIモデルからボードを構成し、合意点と相違点を可視化する。

7分で読める SINGULISM 編集チームが確認・編集

Perplexity、最大8モデルで意思決定支援「Model Council」拡張
Photo by 愚木混株 Yumu on Unsplash

AI検索企業Perplexityが、複数の大規模言語モデル(LLM)を並列実行し結果を統合する「Model Council」機能を、同社のクラウド実行環境「Computer」に拡張した。これによりユーザーは、OpenAIやAnthropic、Googleなど最先端のクローズドモデルから、GLMやKimiといったオープンウェイトモデルまで、2〜8個のモデルから任意の組み合わせで「AI諮問委員会」を構成できるようになる。

背景:限定リリースから本格展開へ

Model Councilは2026年2月に初めて導入された機能で、当時はPerplexity上で利用可能な3モデルに限定され、ユーザーがモデルを選択する余地はなかった。ユーザーがクエリを投げると、合成モデルがその時点でアイドル状態のモデル群から回答を収集し、統合レポートを生成していた。今回のComputerへの追加により、モデル選択の自由度が大幅に向上した。

The RegisterのBrandon Vigliaroloの報道によれば、Model Councilはオーケストレータモデルに指示を与え、並列サブエージェントを起動する「スキル」として機能する。Perplexityの広報責任者Jesse Dwyer氏は「各サブエージェントが独立して問題に取り組み、すべての視点が完了するまで待機バリアで保持される。その後、ユーザーが選択したモデルが『議長』役となり、各出力を読み取り、合意点と相違点を明示的に示す合成レポートを生成する」と説明している。

Computerプラットフォームとの統合

Computerは2025年に先行リリースされたPerplexityのクラウド実行環境で、モデルオーケストレーションレイヤーのWebインターフェースとしての側面を持つ。ユーザーはブラウザ上で複数のAIモデルを連携させ、タスクを実行できる。今回のModel Councilの追加により、Computerの機能はさらに拡張された。

具体的には、Computer上でModel Councilを利用する場合、分析の深さをカスタマイズできる。合成モデルがレポートを生成するだけでなく、「その合成結果をレポートや役員向け資料、その他の業務用アセットに変換する」ことも可能だとPerplexityは述べている。また、合成結果に対して追加の詳細を要求して回答を洗練させたり、焦点を絞ったフォローアップ質問を行うことで、より強力な結果を得られるという。

マルチモデル合成の仕組み

Dwyer氏の説明によると、Model Councilではまずオーケストレータモデルが「スキル」として複数のサブエージェントを並列起動する。各サブエージェントは完全なエージェントハーネスとして機能し、与えられた問題に対して独立して推論を実行する。すべてのサブエージェントが完了するまで待機バリアが機能し、その後ユーザーが選択したモデルが議長役として全出力を読む。

議長モデルの役割は単なる要約ではない。各モデルの出力を比較し、合意が得られている点と意見が分かれている点を明示的に浮き彫りにする。このプロセスにより、ユーザーは「コンセンサスがあれば自信を持って前に進み、ギャップがあればさらに深掘りすべき領域が分かる」とPerplexityは説明する。

想定ユースケース

PerplexityはModel Councilの用途として、法律相談、財務クエリ、企業の意思決定、ビジネス成長モデリング、エンジニアリングなど、複数の領域を挙げている。特に曖昧で唯一の正解がない問題——「判断を要するトレードオフ、リスク評価、その他の状況」——に適しているとされる。モデル間の対話によってコンセンサスと対立点を可視化することで、人間の意思決定者に貴重な洞察を提供する。

競合との差別化

AI検索市場において、Perplexityは従来から複数モデルの同時活用という点で差別化を図ってきた。今回のModel Council拡張により、単なる検索エンジンの枠を超え、企業向け意思決定支援プラットフォームとしての位置づけを強化している。ユーザーが自らの判断材料としてAIの多様な視点を得られる点は、単一モデルに依存する競合とは一線を画す。

また、Computerプラットフォーム上で動作するため、ユーザーは必要なだけの計算リソースをクラウド経由で利用できる。The Registerは「最大8モデルのクラウド実行が手頃な価格になる」と評している。

編集部の見解

今回のModel Council拡張は、Perplexityが企業市場への本格参入を狙う明確な布石と見る。AIモデルが増え続ける中で、どのモデルの回答を信頼すべきかという課題に対し、複数モデルの「合議制」という解決策を提示した点は評価できる。短期的には、リスク評価や法的判断のような高い説明責任が求められる業務において、単一モデルでは得られない透明性を提供することで、企業のAI導入障壁を下げる可能性がある。 長期的に注目すべきは、モデル間の一致点と相違点を可視化するプロセスが、いわゆる「AIアンサンブル」の民主化を促進するかどうかだ。現在は最先端モデルのみが選べるが、将来的に専門特化型モデルや垂直ドメイン向けモデルが増えれば、真のマルチモデル意思決定が一般的になるかもしれない。ただし、モデル間の合意が常に正しいとは限らず、むしろ集合的な偏向(collective bias)が生じるリスクには注意が必要だ。 編集部への問いとして、ユーザーが8モデルもの合成結果を実際にどう活用するのか、認知負荷の観点から検証が待たれる。

参考

出典: The Register

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